2009年07月

TV的フレーム

先日、私の勤務先(嘉悦大学)の試みがNHKの「おはよう日本」で4分ぐらい報道されまして。「中退防止の取り組み」というフレームで。

比較的好意的に報道していただいてはいたのですが、そこはTVというものなので、「こういうフレームで行く」という枠で切り取られる訳ですよね。大学の中退防止を図るために学校は奮闘している、的な4分間。

とはいえ、大学としては「中退防止」という観点を捨てたわけじゃないにせよ、別に中退が多いから慌てて何かしているとか、中退率見て連動して何か動かしてるとか、そういう事じゃないんだけど。名前を間違えられていた私の同僚にせよ、「中退問題担当の教員」なんかをやらされた覚えも、やってる覚えもないだろうけど、字幕ではそう出る。だってそういうフレームだもの。

報道していただいた内容のほとんど全ては、ただ単に「より良い大学環境とは何か」をシンプルに追求した結果のスキームであって、仮に中退率が今後下がっていくとしても、それは言わば二次的な結果に過ぎないんだけどね、本当は。まあとはいえ、あえて世間的な言葉を使えば、顧客満足度の向上を図っているとも言えるし、中退率は下がるだろうなあ、と期待しつつ取り組んでいないわけではないけどね。

ほぼ丸二日間各所を撮影していって、実際に使われるのは4分程度。先生や学生に山ほどインタビューを撮って、取り上げられるのは教員2人、学生が数カット。もちろんテレビというのはそういうものであると分かっているわけですが、改めて再確認したわけですが。

逆に見て、あの4分のために丸二日もスタッフ動員するんだから、そりゃーテレビって制作費かかるよなあ、とか感心してみたりもしたんだけど。というか、NHKだけだよな。あれに二日もかけるの。すごいよね。

あのコーナーで我々として一番ありがたかったのは「ね、テレビってこういうものなんだよ」っていうメディアリテラシー的な経験を、学生に伝えられる事かもしれない。

私たちが取り組んだ基礎ゼミのカリキュラムは、わかりやすいフレームで切り取れば、「夏休みの目標を立てさせる」にShrinkする。それは仕方ないけど、仕方ないんだけどさ。「夏休みの目標を立てさせる」のが目標でやってるわけじゃないんだ!とは言いたくはなるよね正直。

それなりに「大学生らしい」思考スキームや表現方法を伝えることが基礎ゼミの目標なんだけど、問題はそれを「まだ大学生になりきれていない」学生さんたちの経験から離れすぎないネタを使ってやる必要があるところ。メタな思考も血肉にしなければならない。それなりにハードルが高いです。

一見高度な言葉や専門的な知識を与えれば、それを勝手に自己の経験や社会に当てはめて考え抜いてくれるほど、今の学生さんは「高度で専門的」に対して無条件に付加価値を認めてはくれません。血肉になる「思考の経験」の仕方を、しかも必修授業で与える上手い枠組みを、こっちとしちゃ必死で考えているつもりだけど、もちろん学生には必ずしも伝わってないし、TV的なフレームで見れば「夏休みの宿題」を「傾聴って言葉も分からない」学生考えさせていて大変ね、になるわけ。

「傾聴」を言い換えるのはただ単に、概念を教えるだけならその言葉を使えばいい。でも「実際に傾聴をする」のがどれぐらい難易度が高いかは、実際教員みんなでコーチングの訓練やって、どの程度本気で傾聴するか難しいかは分かった上で、「傾聴してみろ」って言ったってできないよね、と分かった。じゃあそれをどう説明するか悩む。実際にやってみたり、言葉を言い換えてみたり、メタファーを使ったり。でもその過程は、TV的フレームで言えば「傾聴をチョー聞くに言い換えるアホな教員会議」になるんだよね。やっぱり。

ま、私も別にそういうTV的フレームはそれはそれで好きな時もあるし、実際朝のTVの1枠で今書いたようなことなんて伝えられるはずもない。

そりゃそうだよな。前の年から延々と議論して準備して、一ヶ月10人の大学教員が(半端モノでも)取り組んで教えようとしてる内容のスナップショットなんだもん。

なーんて言ったら負けなのかもしれない。もし僕が本当にそのTV的フレームが不満なんだったら、4分間で、「中退防止」ぐらいわかりやすい文脈で、自分がした努力とやらを、プレゼンテーションできなきゃ負けなんだろうなあ。やりたきゃYouTubeでもなんでもあるわけだし。流す方法。

いったいどうやって世間に伝えるんだ?となったら、本質的には、受講した学生さんたちに期待するしかないんだけどさ、そんなこと言ってもずいぶん先の事になっちゃうから、上手いアピール方法を考えないいけないんだけど、はてさて。

とりとめございませんが、まあ何かいろいろ思うところがあったので書いてみた。

zshにっき(2)

噂の先読み補完を使ってみた。

autoload -U compinit; compinit

もっとキモく感じるかと思ったけど、意外と違和感感じなかった。

書いてみようかと思ったがあんまり面白くないよなあ。

zshにっき(1)

zshの使い方を書いていく会議。

emacs キーバインド: bindkey -e

for 文

for i in *; hoge

twitter tsudaりの可能性の実感

橋本岳衆院議員が、自民党両院議員懇談会を twitter で tsuda っていて、これは久しぶりにおお!と思った。

http://twitter.com/ga9_h

理屈では別にそんなのやればいいじゃん、できるじゃん、だから? なんだけど、実践する人がいて、それを読めるとまた別種の感慨を抱いた。久しぶり(10年ぐらいぶり) に新しい?メディアの切り開く可能性みたいなのを実感できてなかなかありがたかった。

リアルタイム性ってのは言うまでもなくリスキーだけれども、片手間でも、リアルタイムで、テレビ的編集や新聞的要約がなされず、誰が発信しているのかが明確な形で流されるってのは非常に面白いね。麻生総理始め、各出席者の物言いのテイストみたいなのが流し見できるってのはすごくいい。

それは出席している議員がすべきことなのかという議論はあると思うんだけど、どうせこういうのって、予定されている発言者以外は手が空いてるんだったらやってくれるのはダイレクト「感」という点で結構いいよね。

まあ、私の場合特殊事情として、岳さんは学生時代の先輩でそれなりに知っているので、知人としての信頼感がある人が出しているっていう事情があるんだけど、可能性を実感する機会をくれたという点については知人であるかどうかは関係なしに面白かったので、大変感謝。

ついでにふと思い立って橋本議員のWebを見てみたら、世襲議員問題について結構ちゃんと書いてあって感心した。でも多くの読者が、この文章をリアリティがあるものとして感じられるかどうかは別問題なんだろうなあ。世襲ってひとくくりにされちゃうんだろうなあ、残念ながら。栄里子さんとのくだりなんて、ほんとそのまんま書いてるだけなんだけどねこれ。

http://www.ga9.jp/modules/pro/content0022.html

しかし、日本の政治でのネット利用って、可能性実感して喜んでる場合じゃなくて、どっちかっていうと「やんねえとヤバいよ!」を誰でもいいから次々やってくださいよ、っていうステージではあるとは思うんですけど。何事もちょっとづつ進んでいくので、やっぱりその一歩進んだシーンを見るってのは面白いなと。

ハノイ通信

というわけで毎度ハノイです。

今回はバンコク経由が許されたのでTGバンコク経由です。

別に会わせたわけでもないのに嫁の人が同じ日の1時間差で上海行くというので、同じNEXで仲良く成田空港まで行きました。(新婚アピール)

早くNEX新しくなんないかなあ...

TG、NRT-BKKは777-300, BKK-HANはA330だった。成田線の機材がなんかボロ気味。テレビついてなかったっけ成田線の機材って。とりあえず、机が壊れかけていて安定しないのがなんとも...

1.5年ぶりぐらいのスワンナブーム。なんか心なし活気が落ちたような...うーむ。TGのラウンジ、本物ビジネス以上のお客さんはSPAを使えるらしい。うらやましい。

それにしてもスワンナブームは、ほんとセキュリティチェックが売店エリアか、せめてラウンジの手前にさえあってくれればいい空港なんだけどなあ...セキュリティの係員がのんびりすぎるはまあ、タイだからタイなんだけど。

ハノイ便のA330は新しくて奇麗だった。エンタメとかはないけど。っていうか767じゃなかったっけ? 機材変えたのか。機内食弁当も新しい感じになってて割といけた。

ベトナム入国は検疫手続きというかアンケート回収という手順が入って、それは一歩進んだような気がするがあのやり方で実効力があるのかは謎だ。あとアンケートの質問の意味がわかりにくいよ? なにより、入国後のお問い合わせ先として書かれていたメールアドレスが gmail なのが想像の斜め上を常に行ってくれる素敵なVNクオリティだったが、まあ、メールアドレスがないよりいいよね。

タクシーの値段がまた上がっていた(VNDベースで 250,000VND)。最初に来たときの2倍に近づいてきているような気がしてならない。

ホテルは初めて使う Movenpick Hanoi Hotel にしてみた。ヨーロッパ系外資? オンラインディールで一泊約$100だったんだけど、なんか今まで泊まった外資系の中で一番気に入った。一番価格感がまともかも。っていっても週末キャンペーン価格だから普段はもうちょっとしそうだが。

元グアマンホテルを改装したらしいが、すごくきっちり改装してある。32inch のSamsung LCDがある。壁にVGA端子まで出てる。コンセントが多い。バスタブのお湯がきっちり出る。あと内装がオサレだ。スタッフがフレンドリーだった。まあ暇だったからかもしれんが。

ところで今朝で外豪雨なので外出たくないんですが。

ご批判を頂いていて面白い

私の大学に関する読売の記事についてコメントをいただいたようで面白いのでリンクする。仕事前なんで手短に。

http://www.ashida.info/blog/2009/07/post_365.html

「そもそも「担任」はラインではない。カリキュラムや授業がくだらないことが、「居場所がない」ことの最大の理由なのに、「担任」はその相談には本質的に乗れない。」

全くその通りで、担任を担当してはいるが、誠実にやろうとすればどうやったって自校否定の要素は含まれてくる。大学の「担任」をやるのは、否定するのはアリだと信じて好きにやってるけど、何に肯定する価値があって、何は否定していいのか、自分自身のラインをなるべく学生に伝えていくことは結構重要なんではないか、と思った。

とりあえず、まあ新聞記事にまとめられるとあんな感じですけど、文面より面白いことやっている自負はある。つったってまあ、それが世間にアピれなきゃなんの意味もないんだけどね。

あと、とりあえず、ほんとは入試から変えて、マッチングを正確にやらないと、「偏差値で評価されたら勝てない学校」が生き残る意味はないのかなと。

沖縄・下地島にて

先週末、沖縄・宮古島市の下地島空港に、JALの747-300 に乗っていって、タッチ&ゴーを見ようツアーに行って参りまして。

いやー、面白かったわー。一応説明しておくと、JALの747-300(クラシックジャンボ)が今月で引退するんですよ。で、下地島は日本唯一?の、民間定期航空の訓練空港で、海の近くで非常に綺麗なことで有名。んで、引退記念で、離発着訓練時にやるタッチ&ゴー(着陸するなり離陸する)を下地島空港でやるのを見に行こうぜ!っていうツアー。参加者全員飛行機好きな感じの。

なにが面白いかというと、

  • タッチ&ゴーは訓練空港か異常事態じゃないと見れない
  • まして、747-300のタッチ&ゴーは下地島でも普通見れない
  • 下地島空港は通常旅客便が飛んでいないので、普通に旅客機で降りて旅立てる事もそうない
  • ましてジャンボで降りて旅立てることなんてほぼあり得ない
  • そして747-300は今月で日系航空会社からいなくなる
  • おまけにCAさんは歴代JALの制服

とりあえずまあ、迫力のある写真でも。

送信者 2009/07/04-05 下地島 747-300

タッチ&ゴーは言わずもがなで面白かったんですが、旅客便が普段飛んでない空港なので、旅客チェック施設がない。仕方ないので、近所のホテルに観光バスで横付けして、臨時身体検査場が開設されておりまして、こんな感じに。非常に珍しい光景でした。

送信者 2009/07/04-05 下地島 747-300

「飛行機好きしかほぼ乗ってない」飛行機なので、着陸前に着陸復行はやってくれるし。あと、機内とCAさんの写真じっくり撮り放題という、通常便だとあまりあり得ないシチュエーションで遊ばせてくれたりとか。

なんか例外処理の異様に多いツアーで、JALツアーズのスタッフの方は非常に大変だったと思うんですが、大変満足でした。ありがとうございました。

あ、そういえば人生初沖縄でした。これにて47都道府県制覇。沖縄耳年増だったので、「りろんはしってる」ものがいっぱい見れてすげー興味深かった。料理うまいし。

帰り際、おまけに日本最南端と最西端駅制覇してきました。ゆいレール。

送信者 2009/07/04-05 下地島 747-300

東洋経済の川島令三先生の記事がひどいのでdisる件

今出てる週刊東洋経済の鉄道特集が、2つも川島令三先生のご高説を垂れ流していている。流し読みして気にしてなかったんだが、よく読んだら一個あまりにひどいのでdisります。

P51, 「つまりヨーロッパと日本の新幹線の決定的な違いは車体の大きさである。したがってアメリカが新幹線を導入するとなれば日本規格になるはずだ。車体の小さいヨーロッパ規格を導入すると在来線に直通しにくい。逆にヨーロッパが大陸横断規格の車体を造るにはそれなりのノウハウが必要である。」

意味わかんねえし、日本以外の鉄道知らなすぎる。3行目の意味がまったく分かりません。在来線って何!ねえ何!百歩譲っても日本の新在直通でも車体幅なんて導入の可否決めるような要素じゃないでしょう。4行目に至っては、少しは調べたらどうなんですか。

(後記)あまりに自分も書き散らしたのでここに趣旨をまとめ直しておきます。要するに、P51で書かれている川島先生の主張には全然根拠がないし、単なる思いこみを書き散らしているだけです。車体幅を変えたい時に、インフラ側を変更するのは非常に大変ですが(ホーム作り直したり、トンネル掘りなおしたりする必要があるから)、車輛メーカーが車体幅を変えるのは別にそれほど大変ではありませんし、現実に日本のメーカーにしろヨーロッパのメーカーにしろ、数多くのパターンを作っていて、「それなりのノウハウ」なんてものが必要だとしても、既に持っています。なので、アメリカの高速鉄道計画への競争において、日本の新幹線が車体幅のおかげで優位なんてことはありません。以下は、途中から楽しくなって調べた、新幹線/TGV/ICEベースの各種車輛の車体幅に関するレポートです。

確かに今後、ヨーロッパの多くはUIC規格に従うだろう。ちなみにUIC規格の車体幅は2950だそうだ。そしてUIC規格はどうやって決まるかといえばフランスとドイツが決めたからだ。鉄道の国際規格ってのはそういうもんだ。

そもそも同じヨーロッパっつったって、イギリスとそれ以外では車体幅が違う。それは言うまでもないが、フランスにしたって、TGVはオリジナルのTGV Sud-Est は空気抵抗軽減による高速化のためだったと思いますが、2810mm だが、TGV Atlantique あたりでは 2900mm に広げているようだ。韓国のKTX は TGV Atlantique と同一仕様で悪評買って、国産新バージョンでは広げたんだっけ?

TGVベースとはいえ、だいぶModifyされているアメリカ東海岸線向け Acela Express は機関車の車体幅は 3180mm あるようでございます。ついでにいえば

ICEなんか出荷先ごとに全然違いますよ。ICE2は3020mm, ICE3はフランス乗り入れのためにUIC規格に合わせたから2950mm, 中国向けCRH3こと Velaro CN は 3365mm、ロシア向け Velaro RUS は 3265mm。

車輛幅ぐらいヨーロッパの車輛メーカー様が対応できないわけがないじゃないか。30分あけばこれぐらいの反証が調べて書けるんだよ。

参考までに 209系0番台は 2800mm, 209系500番台は 2950mm、N700系は 3360mm、0系〜700系は 3380mm, 400系は 2947mm だ。E2系と CRH2 は全く同一寸法。

えーと、まとめると、

209系(在来線狭幅) < TGV Sud-Est = Eurostar < TGV Atlantique = KTX < 209系500(日本在来線、ただし裾絞り) = UIC = ICE3 < ICE2 < Acela Express < Velaro RUS < N700 < Velaro CN (CRH3) < 0〜700/E2 = CRH2

だ。

でも書いていて気づいたが、つまり Velaro CN こと CRH3 と新幹線の車両幅はほぼ一緒。これは著者も書いている通り、どっちも満鉄の車両限界から来てるんですかねこれ。面白いなあ。

まあそれはともかく川島令三さんいつもの事ながら、blogじゃないんだから書き飛ばしとかやめてくださいよいい加減。まして、そんな記事載せないでください東洋経済。折角同じ特集の他の記事がいいのに台無しだ!

参考資料。

http://ja.wikipedia.org/wiki/TGV

http://www.rig-bahn.jp/db-page/j-ice3.htm

http://www.trainweb.org/tgvpages/acela.html

Eva見てきた

エヴァ破見てきた。

実は昨日も仕事帰りにシネセゾンのレイトショー見にいったんだが、ついたらもうチケット完売で(映画の日だったし、混んでた)、おまけに前の回が終わった直後で、危うくエレベーターの中からネタバレされかけてあわてて映画館前から退散した次第。

なんかスイッチ入っちゃったのでどーしても見たくなり本日もチャレンジ。今日はヒューマントラストシネマ渋谷に見に行ってみた。20時の回。辛うじて満員ではないかなぐらいの入り。

面白かったー。超満足。

シンジがリア充になってるって誰かが書いてたけど、ま、そういう見方もあるかなと。

メタフィクション的な部分を避けても避けてもどうしても入って来ちゃう性みたいなものが興味深いですよねほんとに。

私たちはどこから来てどこへ行くのか(もしくは行かないのか)

「そもそも理系と文系ってのはどうやってできた区分なのか」を知りたいなあと思ってなんとなく調べて以来、日本の大学ってどうしてこういう制度になっているのかが結構興味がある。

というところでこの本が図書館にあったので読んでみました。

大学の誕生〈上〉帝国大学の時代 (中公新書)
大学の誕生〈上〉帝国大学の時代 (中公新書)
クチコミを見る

これはとってもイカした本であった。読んでよかった。

個人的に面白かったのは大きく分けて3つで、

  • 近代日本の学校制度は、小学校から上っていく軸と高度大学=帝国大学から降りていった軸が別立てで成長し、その接合に非常に苦労していた点
  • 大学の学位付与権の位置づけはかなり曖昧で、アカデミア=帝国大学である中での高等教育機関卒業によって得られるものが何であるのかが初期はかなり不明瞭
  • 私立大学の揺籃期に関する、特に「官学-私学」の構成軸に関する議論

特に私学出身者としては、私学の成立史はすげえ面白かった。初期の慶應ってやっぱ面白いな。一番出てくるの東京専門学校=早稲田だけど。

いくつか印象的な話題。

  • 「X周年事業」で基金を集めてインフラ投資をして、その後の事業を回していくというビジネスモデルの起源
  • かなり初期の大学に対する文部省の「飴と鞭」として使われた道具が、兵役免除であったこと

などもかなり面白い。

ココロに響いた節を2つほど引用。

P346「私学がまだ、『学歴』と無縁の自由な学習の場でありえた時代が、たしかに合ったのである」

P374「国家は一切の財政的な支援をせず、ひたすら『アメとムチ』で私学の、まさに命がけの努力を引き出し、私的で個人的な負担による低廉なコストで、高等教育の機会の拡大と人材養成をはかる。現在に至る、巧妙とも狡猾ともいうべき高等教育政策の形は、明治36年という二十世紀の始まりの時点で、すでに作られていたことになる。」

面白そうでしょ?面白そうじゃない?そうですか...

  • ライブドアブログ