董国強(南京大学歴史学科副教授)[編著]
築地書館
発売日:2009-11-27

共産趣味者としてはなかなか重要な一冊。

中学生の時に文革というものの存在を聞いてから、ずっと「知れば知るほどなんだか分からなく無くなっていく」文革。

基本的にインタビュー本なので、文革に対する基礎知識は別の本で読んでらトライした方がいいかと思いますが、文革を概要で知ったときに誰しも脳内に浮かぶであろう「いったい当事者たちはどんな状況で何考えてたわけ!?」という疑問に対する一つのよすがとしてはかなり興味深く。

あと、当時の「造反」対象となったところの当時の南京大学学長、学校建設方針とか非常に興味深いんですよね。労働と学問の共存、全然できてなかったらしいけどその理想像は興味深い。私からみたらそんだけでもうもの凄くいかにも共産チックなのに、それが保守的だって「批判」されて「打倒」される。なんなの。

文革当時の話だけでなく、文革がどう後の民主化勢力につながっていくのか、とか、中国におけえるウソをつくことの意義とか、非常にいろいろ頭脳の体操を要求されるエピソード満載で、興味深いです。