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そうなんですよねー。企業から大学に引っ張られてきた方の結構多くが、大学ではあまりに何でも自分でやらないと言われるので困惑されるようです。

特に普通は企業で一定以上に責任ある立場にいた人であればあるほど、組織で働くために、「水や空気のように」チームメンバーと仕事をすることに慣れているので、その落差が激しいようです。

教育・研究・大学運営が教員の3大タスクですが、最初のはともかく〜教育だって今時一人でやらんがな〜、後ろ二つは当然ながら完全にチームワークでやるもんでしょう今時。

もちろん「一人で研究室にこもってなんかうんうん考えてる」時間も必要なんでしょうし俺に何がたりなってそういう地道な努力なんでしょうが、そういう時間を作り出すためには本当は益々チームで仕事をする必要がある。

正直私、この春学期久しぶりにいっぱいいっぱいで、うなされながら秘書をクレと思ってたりしましたが、正規では学部長にでもならん限り秘書なんてつかないしね。

研究プロジェクトを取ってこれればプロジェクト担当事務の方をお願いすることも予算的に可能だと思うけど、教育はどんなにがんばっても秘書は普通つかないし。

大学運営タスクはどれだけ職員の方に協力してもらえるかにかかってるけど、通常の指揮命令系統で上司になれるケースは希なので、なかなか「部下が欲しい」っていうイメージの要求には応えられないケースが多い。

うちみたいな研究の弱い大学というのは、実はそんなこんなで、教育も運営もやらないといけない教員のタスクは積まれていって、研究費がますます取れなくなり、ますます孤軍奮闘、みたいな状況になりがちですね。

大学教員のイメージって、日本では未だに「一人で研究室にこもってなんかうんうん考えて、論文とか書いてる」イメージかもしれません。(違う?)

しかし、研究者として成果を上げるのは、大学院生とか助教ぐらいまでの間にやっておかないと、偉くなれば偉くなるほど、「現場」と関係ない仕事が増えていくのは、一般企業なんかと同じか、ある意味もっとタチ悪い。

大学教員といえども、ある程度偉くなったら、実際に社会から要求される能力って、プロマネ的な職能である事が多い。しかも、教員とか職員とか大学院生とか大学生とか外部研究協力者とか、正規軍じゃなくて不良外人込みの混成部隊を率いて、外交交渉してこいと言われているようなものなので、普通のプロマネ(スケジュール線表引いたらそれを守れって命令できるような立場の)とはまた違う、寝技のようなプロマネ能力が要求されるケースも多い。

そういう社会的要請に応えられている大学教員ってのはなかなかいないのが実態でしょう。結果としてどうなるかというと、大学教員って不良在庫率高いんだよね。

あまり結論はありませんが、思ったまま、つれづれなるままに書いてみました。