割と目新しい鉄道本を読了。結構面白いと言えば面白いし、目の付け所がいいんだけど、なんかこう...な本。

「電車の進化」大研究 ――メカニズムの基本知識と鉄道輸送の未来


いや、視点はいいんだけどさ...趣味者の視点を離れずに、最新車輛のメカニズムを探ろうとかそういう意味で。

でも難点の多い本だなー。

まず、「入門本の次ステップ」としては、圧倒的に図版がなさ過ぎる。もうちょっと書こうよ。

逆に、「発展に向けた書」としては、参考文献が一冊も挙げられてない時点でなんつか失格なんだよなあ...事実誤認とかあってもおかしくないなあ、という印象を受ける文章なんだよなー。

エッセイと技術紹介のバランスとか、書籍としてのターゲッティングはなかなかいい気がするので、なんか惜しいなあ。

「最新技術好きな女子版川島令三」みたいな印象。

鉄道ジャーナルって車輛技術紹介は弱いし、ファンもジャーナルも車輛紹介はなんというか「大本営発表」が多いし、かといってピクトリアルは読みにくいし古くさい、みたいな点で面白いエリアになり得るところだと思うんだけどねえ。

あと、どうでもいいしそれは面白いんだけど、「クロ151形に乗った思い出がある。まだ東海道新幹線がなかったから、大阪へは飛行機で行く時代である」とか、「高校時代、私はHOモデルを...(中略)...我が家で一番広い三十畳の部屋にレイアウトを作ってしまい、」とか、ブルジョアッすねー。

著者略歴を見たら、海外航空会社客室乗務員を経て、とか書いてあった。なんかこうパンナムで働いてたりしてそう...どこの会社だったんでしょうか。