「情報検索の技術」という科目を担当しているのですが、普通に検索するだけならググれ、あとOPAC使え、で終わりかねないので、11月は主に図書館の仕組みや使い方について教えてみた。
本来専門ではないが、門前の小僧で、図書館情報学概論的な書籍の内容はおおむね理解しているので、ざっとその手の本を流し読みして講義である程度教えてみた。
NDC、10進分類法あたりの話とかね。
で、ふと思ったので課題として「図書館と書店とブックオフに行ってみて、書籍の並べ方がどう違うか観察してこい」っていう課題を出してみたんだが、なかなかみんないい観察をしてきて、なかなか面白い。
ついでだったので実習課題として、図書館で配架してこいっていう課題なぞ出してみたりしたのだった。
学生にはどの並べ方が優位か、というような議論はなく、ここはこういう並べ方をしていて、それは何故か?という事を考えて貰ったんだけど、どうもNDCの話していると、愚痴っぽくなるというか何というか、なまじっか利用しているだけにイライラする事が多い自分に気づく。
まあ最大のあれはそれだ、だってコンピュータの本が0と5に別れるんだもん。っていうのが最大の苦情なんだけど。
結局、NDCって根本的に近代的(現代でないという意味で)なのが問題なんだろうなあ、知識が階層的に存在するというまあある意味暢気な近代モデルに立っていること、書籍の出版量と分類の粒度が必ずしも現代のソレと一致しないこと、等々。
Amazon→opacを使ってんのは、Amazonのユーザビリティが高いという問題もあるが、少なくともコンピュータ関連書籍を探している限り、Amazonの分類方法の方が便利だ、というのが事実なのではないかと思う。
じゃあ図書館がそれに合わせればいいじゃん、という話になるかというとそうではなくて、おそらく図書館は書店と違ってアーカイブ機能があるため、歴史的な分類の一貫性が必要となり、無闇に<棚を作る>のは避けた方がいい、という話が結構大きいんじゃないかと思うのだった。
とか思いつつたまに読んでるblog見てたら、
「デューイ十進分類法を採用しない図書館,議論の的に」
さすがアメリカというか何というか。図書館業界の皆さんの抵抗感はすごく良くわかるけど、でもさー、多分この図書館使いやすいよ?
あと、部類体系そのものの国際化を図るという話なんかも出てるのか!という話題
「デューイ十進分類法、スウェーデン国立図書館が導入」
http://current.ndl.go.jp/node/9744
どっかでNDCとデューイ十進分類の関係とか議論されてたりするのかしら。されてんだろうな。
図書館は管理番号付与の方法と配架の方法を分離してもいい時期なのかもしれないなあ。その上で、物理的な配架場所ブラウジングをちゃんと離れた棚に対しても可能にするユビキタスUIとかが欲しいような気がしてきた。