先に書いておくけれども、私は平均的には山田祥平氏の記事は割と好きだし、参考にしている。でもこの人は時折典型的な「PCという(巨大な)井の中」からしか見ていないビミョーに思いこみ強しな発言を、わざとなのかどうなのか知らないが、する事があって気になる。

というわけでコレ。

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0620/config215.htm


はっきり言ってちょっとでもUnix/Linuxをいじったことがあったり、ましてやOSの仕組みをちょっとでも囓ったことがあれば、「ナニいってんだ今更」という内容を、例えとしてはいまいちなMS製品の話を使って滔々と述べているだけ、である。

レイヤ間の独立性が維持されていれば、特定レイヤのモジュールを入れ替えるのは容易だし、そこで競争が起きるのは健全かつ当たり前。MS製品で起きないのは単なる抱き合わせ販売。デフォルトインストールアプリの件は、いくつもあるレイヤ間の一つの例に過ぎなくて、他のレイヤインターフェースは思い切り抱き合わせ。

なんでMS製品が例えとしていまいちなのかっていうのはもはやトートロジーだけど、レイヤ間のインターフェースががどう定義されていようと、実際にAlternatvieがほぼ存在しないのがMS製品なので、レイヤ間のインターフェースをきっちり実装したりわかりやすくドキュメント化したり下位互換性を確保したりする必要がないから、というような事であろう。というわけでこれを良くも悪くも一体化した商売をやってるだけでしょ。

ってたぶん山田氏だって冷静に考えたら頭が働くんだろうけど、DOS->Windowsをほぼメインで使っている人って言うのはやっぱりMS思考でバインドされちゃうのかなあ。

でもさー、PCワールドに限定したって、似たような話 Netscape vs IE の時も、Javaの時も、XMLの時も、Ajaxの時もあったじゃん!

違う点があるとすれば Vista のせいでMSが落ち目なぐらい?みんなVistaとOffice2007で抱き合わせとベンダーロックインの怖さはわかったでしょ? やめようよもう。そろそろ。

なーんて偉そうにいってみたけど、マシン仮想化で大喜びしている私とかは長年のメインフレームユーザからみたら今更なにいってやがんだって感じであろうし、手近なところで言えばケータイの「進化」と喚ばれるモノの多くが単にPC水準へのキャッチアップだったりするしねえ。そういえばiPhoneってユーザランドroot権限で動かすのってやめたの結局?

我々は所詮フォン・ノイマンとチューリングの手の上で踊っているだけなのです!

以上分かったフリ終了。何にもつけないのもつまらないので無茶振り参考図書をおまけでおつけします。

モダン オペレーティング システム 原書 第2版